【超重要】いくらなら大丈夫?家を建てる前にライフプランを立てる話

うちの家計はいくらまでならローンの支払いに充てても大丈夫?これは皆さんの家計でも必ず問題になることだと思います。「借りられる額」 = 「借りても大丈夫な額」ではないというのはよく言われることです。ではうちはいくらまでなら大丈夫なのかについて順を追って考えていきたいと思います。

収入の柱について

収入のベースを決める際、共働きありきで決めるのか、

ご主人の収入のみで考えるのか、賛否があるかと思いますが

基本的にはご主人の収入のみで考えるべきです。

共働きが当たり前のご時世ですし、ご主人の収入だけではそもそも生活が成り立たないという声もあるかと思います。

しかし、どちらかが働けなくなった場合に支払いのプランが崩れて

ライフプランが崩れてしまうという状況では、盤石なプランとは言えません。

2人の収入をベースで考えた場合、例えば小さなお子さんをお持ちであったりこれから持つ予定のある家庭では

奥様は子育てで仕事を辞めたいと思っても、やめられずストレスを抱えながらも働き続けるしかないという状況になってしまいます。

ではご主人一人柱の家計は大丈夫なのかというと、

例えばご主人がけがや病気で働けなくなった場合にも

ご主人のその時点の収入に対する傷病手当があるので

パートでも一次的に奥様が働くことで補うことは出来るでしょう。

また、考えたくはありませんが、ご主人が万が一亡くなってしまった場合でも

ローンを借りる際には団体信用保険に入っていれば

ローン残債は無しになります。

もし現在共働きで、そうでないと支払いができない場合は、

一旦持ち家の購入は見送り、先に頭金を作るべきだと考えます。

頭金を作ることで、ローンの金利が下がり、月々の支払額も減ります。

頭金が増えるほど当たり前ですが借りる額が減ることで支払額が減り

金利が下がることで更に支払額が減ります。

そうなればご主人の収入だけでも支払える時期が何年後になるかはある程度予測できますので

それまでに間取りなど家のプランをゆっくり考えて待ちましょう。

わざわざリスクのある方へ

「えいやー」

と飛び込む必要はないのです。

他の記事でお話ししましたが、そもそも家を購入することは大きな浪費であり浪費はリスクです。

共働きでないと回らない家計の場合、浪費をしている余裕はなく

持ち家はやめるという選択をしても良いのではないかと考えます。

収入ベースを決める

ローンの支払いについて考える時、多くの場合収入の増加を見込みますが

私はその考え方には懐疑的です。

自分の会社の給与体系が現在予測するような増額を見込める保証は無いからです。

自分の身に何かあった際、増額を見込んでプランを立ててしまっていては苦しくなる一方でしょう。

というわけで収入の予定額は、今現在の収入額そのもので考えるべきです。

例えば今現在の月々の手取りが400万円なら400万円で考えましょう。

現在の収入をベースにしてプランを立てた場合にぎりぎりであったり

マイナスになるのであれば、家を建てるタイミングではないということになります。

現在の家計の支出状況を把握する

支出のベースとなるのは現在の家計簿です。

家計簿をつけていない場合、把握は難しいでしょうから

まず3カ月ほど家計簿をつけてみることをお勧めします。

家計簿の項目は大まかに下記の項目で良いかと思います

  • 食費+日用品
  • 交通費(自動車関連含む)
  • 通信費(携帯、ネット)
  • 光熱費
  • 住居費
  • 衣類
  • 保険
  • 医療費
  • その他

この中に分類できない支出は適宜追加してください。

3カ月程の平均を出すことで項目ごとに

平均的な支出額を把握しましょう。

うちの場合は住居費を除いた月平均支出額は約7万円でした。

将来的に必要となる支出

①夫婦2人の生活費(35年)

夫婦2人の生活費は現在の生活レベルを続けると仮定した場合住居費を除くと約7万円ですので

7万×12ヶ月×35年=2940万円

さらに、年間50万円のレージャーや予定外支出を見込みます。

50万円 × 35年 = 1,750万円

約4,700万円となります。

②家の維持修繕費(35年)

1.8万円 × 12ヶ月 × 35年 = 756万円

③自動車購入費

我が家の場合車は1台の想定で計算します。

基本中古車で1台あたり200万の予算での

8〜10年で乗り潰すとして

200万円 × 4台 = 800万円

年間では 800 ÷ 35 = 23万円

④お子様の養育費

現在お子様がいない場合、予定通りにいかない要素になり得ますが

とにかくまずは予測を立ててみましょう。

では、お子様の各シーンで必要となる支出はどれくらいを見込めば良いのでしょう。

こちらはお子様にどれくらいのレベルの教育を施してあげたいか

各家庭の価値観によっても大きく変わるところとなりますので

我が家の価値基準で作成したプランをもとに考えていきますので

それぞれ各々の価値基準に合わせたプランを立てる際の考え方の参考としていただければ幸いです。

そもそもうちには現在子どもがおりません。しかし将来的に最低でも1人、できれば2人目もという考えでおります。

では各シーンでの支出をどう見積もったかについてお見せしたいと思います。

1. 出産

出産費用 500,000 出産一時金 +420,000
衣類 50,000
ベビーカー 80,000
抱っこ紐 20,000
ベビーベッド 30,000
ベビーシート 30,000
ベビーチェア 10,000
布団セット 10,000 必要手元資金 830,000
その他 100,000 支出合計 410,000

出産における支出は体型の変化とともに必要になるであろう衣類や準備物品の支出に対し

出産一時金として受け取れるお金についても計算に入れています。

2. 0〜1歳(月ベース)

ミルク 14,000
オムツ 6,000 20,000

3. 1〜3歳(月ベース)

食費 5,000
衣類 5,000 10,000

4. 入園(イベント)

入園手続き費 35,000
園服 30,000
その他 20,000 85,000

5. 3〜5歳(月ベース)

幼稚園 10,000
食費 5,000
衣類 5,000 20,000

6. 小学校入学(イベント)

ランドセル 50,000
靴・体操服等 50,000
教材費 5,000
PTA費 3,000
損害保険 1,000 109,000

7. 6〜7歳(月ベース)

給食費等 10,000
衣類 5,000
習い事 10,000
食費 10,000 35,000

8. 8〜11歳

給食費等 10,000
衣類 5,000
20,000
食費 10,000 45,000

9. 中学校入学(イベント)

鞄・制服・教材 100,000
部活道具 50,000 150,000

10. 12〜14歳(月ベース)

教材・給食費等 15,000
部活 5,000
30,000
衣類 5,000
携帯 3,000
美容費 2,000
食費 15,000 75,000

11. 高校入学(イベント)

受験費用 50,000
入学費・制服・教材・自転車(公立) 200,000 計(公立) 250,000
同上 私立 900,000 計(私立) 950,000

12. 15〜17歳(月ベース)

学費(公立) 20,000 補助金 +9,900
学費(私立) 41,500
40,000
部活 5,000
携帯 3,000
衣類 5,000
美容費 2,000 計(公立) 80,100
食費 15,000 計(私立) 101.600

13. 大学入学(イベント)

受験費用 300,000
入学費用 300,000 600,000

14. 18〜21歳(月ベース)

学費(国公立) 50,000 50,000
学費(私立) 100,000 100,000

15. 21歳までの1人当たりのトータル

高校以降全て国公立で 約14,000,000円

高校以降全て私立で  約18,000,000円

返済に充てられる総額の計算

それでは収入ベースと将来の支出予測が決まったところでいよいよいくらまでなら

ローンの返済に充てても大丈夫か、について計算をしていきたいと思います。

検討しながら気付く方もいらっしゃるかと思いますが、何通りもある各家庭の価値基準をもとにした支出から

これなら大丈夫、という額を算出することは容易ではありません。

あくまでうちの上記のプランを実行した場合ということで計算してみます。

まず総収入は、ローンを組む予定の35年間、このままの収入を下回らない場合

トータルの手取り額は

400万×35年=1億4000千万円

となります。

ここから子ども1人の場合と2人の場合に分けて結論を出していきたいと思います。

子どもの養育費に関しては進学について不確定である以上、全て私立想定で算出します。

子ども1人の場合

1億4千万円ー4,700万円ー800万円ー800万円ー1,800万円

=5,900万円

借り入れ金額を3,000万円とし、返済期間35年毎月の返済額を一定とした場合

総返済額は3,700万円となり

5,900万円 ー 3,700万円 =  2,200万円

35年後2,200万円残る計算となりました。

借り入れ金額を4,000万円とし、返済期間35年毎月の返済額を一定とした場合

総支払額は4,900万円となり

5,900万円 ー 4,900万円 =  1,000万円

35年後1,000万円残る計算となりました。

子ども2人の場合

1億4千万円ー4,700万円ー800万円ー800万円ー3,600万円

=4,100万円

借り入れ金額を3,000万円とし、返済期間35年毎月の返済額を一定とした場合

総返済額は3,700万円となり

4,100万円 ー 3,700万円 =  400万円

35年後400万円残る計算となりました。

借り入れ金額を4,000万円とし、返済期間35年毎月の返済額を一定とした場合

総支払額は4,900万円となり

4,100万円 ー 4,900万円 =  ー800万円

35年後800万円マイナスという計算となりました。

子どもが2人欲しいうちの場合、借り入れは3,000万まで

なんて、結論づけると痛い目を見ることになります。

返済中一度でもマイナスとなっては返済可能とは言えない

お気づきの方も多いかもしれませんが、35年後の収支がプラスだからといって返済可能

とは言えません。その期間に短期間で大きく家計を圧迫する養育費が含まれているからです。

1人にせよ2人にせよ下の子が大学を卒業するまで収支がマイナスになっては

いけません。子を持つ親にとって大切なことは子どもが親元を離れるまで

プラス家計を維持することです。

逆にいえば下の子が親元を離れる年齢になるまでプラス家計を維持できる返済額が

あなたが借りてよい金額となります。

これは単純な方法で計算します。

支払い開始から下の子が卒業するまでの年数を z とすると

( 年収 − 夫婦の生活費 + レジャー費 + 家の修繕費 + 自動車購入費)× z

− 子どもの養育費

下記では改めて子ども1人と2人の場合に分けて考えてみます。

子ども1人の場合【改】

家の購入後2年で子どもが生まれたと仮定すると大学を卒業する年齢を22歳として z = 24

( 400 − 7×12 + 50 + 1.8×12 +  23)× z − 子ども1人分の養育費

= 221.4 × 24 − 1,800

= 5,326 − 1,800

= 3,526万円

子ども2人の場合【改】

家の購入後4年で2人目の子どもが生まれたと仮定すると大学を卒業する年齢を22歳として z = 26

( 400 − 7×12 + 50 + 1.8×12 +  23)× z − 子ども1人分の養育費

= 221.4 × 26 − 1,800×2

= 5,756 − 3,600

= 2,156万円

結論

ついに、うちの場合の借りてよい金額が計算できそうです。

改めて整理するとうちの場合子どもは2人欲しいと考えているので

上記計算の子ども2人の場合の残金2,156万円がローン返済に回せる金額となります。

2,156 ÷ 27年 ÷ 12ヶ月 = 66,500円

月々の返済に回せる額は66,500円となります。

35年間この返済額を維持できるローンが私の家計に合ったローン金額となります。

これを金利1.2%の固定金利で計算すると

借り入れ可能額は2,279万円と計算されました。

参考:https://www.flat35.com/simulation/simu_02.html

ちなみに、子ども1人の場合はというと

3,526万円 ÷ 24年 ÷ 12ヶ月 = 122,400円

借り入れ可能額は4,182万円となります。

実際は家計状況によって借りられる額には上限が有ります

私の場合はおそらく3,500万円程になろうかと思われます。

しかし子どもが2人欲しい私にとって、借りられる額3,500万円と

借りてよい額2,279万円には約1,200万円もの差があることが分かりました。

これから住宅ローンを組もうと考えている方は、是非一度私のように計算してみてください。

その地道な作業が、将来のお子様と奥様を守る大切な土台となります。

また、給料を上げればその分余裕が生まれ、家族と楽しい思い出を作る旅行ができたり

美味しいものを食べに行ったりできることを実感できれば、仕事にもより一層力が入る

というものではないでしょうか。

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